平成27年5月23日(土)10:00〜15:30 浦和コミュニティセンター・第15集会室で、平成27年度さいたま市消費者フォーラムが開催され、食生活ジャーナリストの会・代表幹事の佐藤達夫さんによる
「食品の安全性」ってな〜に? 〜あなたは何を選びますか?〜
という講演会が行われました。さいたま市(消費生活総合センター)とさいたま市消費者団体連絡会の共催です。
このたび、さいたま市消費者団体連絡会がベスト消費者サポーター章を受章しました。開会の挨拶の後、表彰式が行われました。
講演会の内容は、
日本の食べ物の安全性は世界トップクラス
日本人の平均余命が他に比べて長いのは日本の食生活がとても良いから。(他にも乳児死亡率が低いこと、戦争による若者の犠牲がないことも大きな要素です。)
賞味期限が過ぎた食品を食べても大丈夫か?
消費期限も賞味期限もメーカーが決め、メーカーが保証する基準。表示を見ただけで捨てるのは無駄。正しい保存方法と開封前であることを確かめ、自分で判断しよう。
中国産食品は安全か?
中国産でも日本の法律をクリアしたからには日本産と同等の安全性がある。
食料自給率の話をするとき、中国産食品の安全性を否定するのは間違い。
冷静に安全性は数値で判断するべき。
無農薬野菜のほうが安全か?
植物も自分の種を守るために毒を持つようになった
→人間がおいしく栄養があり毒がないものに改良した
→おいしいから他の植物に比べて虫がつくのはあたりまえ
→最低限の農薬を使う
農薬を使わずに我々は食料を充分に手に入れることができるか?
食品添加物はそれを食べた人の健康を害するのか?
日本の法律を守って添加した食品の安全性を議論するべき。
センセーショナルな内容の書籍には科学的な記述はほとんどない。
法律を守らなければ病気(ガン)になるのか?
→がん予防の7か条を守らないことに比べれば、農薬や食品添加物の関係性はきわめて低い
健康は目的ではなく手段である
健康のためにだけに生きるのか?自分の人生にとって許容できることか?
がん予防の7か条(津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部部長)
科学的根拠がはっきりしている
特に7.タバコを吸わなければガンの1/3を予防できる
それ以外の1〜6でガンの1/3を予防できる
上記をやらずに農薬や食品添加物に気をつけても効果が薄い
1.野菜を毎食食べ、果物を毎日食べて、合計で1日400g以上食べる
2.塩分摂取は最小限に抑える(目標は1日9g以下)
3.定期的にウォーキングをする(できれば毎日60分歩く)
4.標準的な体重を保つ(BMIが21〜27に入るように)
5.熱すぎる食べ物はできるだけ避ける
6.お酒は日本酒なら1日に1合、ビールなら大瓶1本以内に
7.タバコは吸わない(他人が吸った煙草の煙も避ける)
午後からは交流会が行われ、4つのグループに分かれて話し合いが行われました。佐藤さんのお話をいくつか記します。
・科学的根拠(意味のある根拠)に基づいている場合、量の問題に言及しているはず(どれだけ食べたら…等)
・安心は「その人が安心するかどうか」、添加物が入っていた方が安心する人もいれば、入っていないと安心する人もいる
・体に良いものはおいしい。食べ過ぎ(肥満)はここ50〜100年だけの問題。おいしく感じさせる食品工業が人間の味覚を追い越してしまった。
・遺伝子組み換え食品について。他の生物を食べる=他の生物の細胞(遺伝子)が入ってくるが、食べた遺伝子に影響を受けることはない(健康を害しない)。ただし遺伝子組み換え食品は未経験なので検査をしている。
その他、集会室では医療生協による健康チェック、各市民団体の展示発表が行われていました。