日本母親大会

日本母親大会1 大会・フォーラム
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7月30日・31日に広島市で日本母親大会が開催されました。くらし探検くらぶからも4名が全体会と分科会に出席しました。というわけで、簡単にリポートします。

日本母親大会1
8,500人が全国から集まりました。全体会の記念講演は反貧困ネットワーク事務局長・湯浅誠さんによる「貧困なくし 人間らしく生きられる社会をつくる」と題した講演でした。

印象に残ったお話は、
人間らしく生きられる社会をつくるには、「つくる」ことと「求める」ことが大切
(たとえば、傷害を持つ人たちのために親たちが作業所をつくります。けれども、自分たちだけでは疲弊してしまうので、行政にその存続を求めます。そうすることによってより良い社会ができるわけです。どちらか一方ではいけないということですね。)
以前、さいたま市の生活介護事業所「みずき園」の見学をしていたので、とても良く理解できました。

3つの「活」
就活:就職するための活動家になること
婚活:結婚するための活動家になること
生活(?):生きていくための活動家になること

そして分科会です。分科会は2つに分かれて参加しました。長くなるので、感想などは以下に書きました。

分科会30 「メディアを国民の声を反映したものに」
自分の足下から発信をソーシャルネットワークサービス、
コミュニティFM、フェイスブックなど
助言者:津田正夫(立命館大学)

津田先生は、「メディア」を「自分たちが表現するところ」だと明確におっしゃっています。

現在では、ユーチューブ(YouTube)、ウィキリークス(WikiLeaks)など、新たなメディアが出てきて影響力を与えています。

「Media」という言葉は、もとは「Medium」で媒介、中間、手段という言葉の複数形です。「The Media」で報道機関、マスコミ(Mass communication:放送や新聞による大衆伝達)という意味になりました。

「Media」の本来の意味を知っていれば、「何かを媒介にして、自分たちが表現するところ」とそのまま納得できる言葉だと思いますが、カタカナで表していると「メディア」とは、新聞やTVなどのマスメディアを指すと思い込むのだと感じました。

情報の中には、不確かだったり中立でない考えのものもありますが、多様な情報や見解を報道ができることは大事です。

分科会33 「地域主権改革で日本はどうなる?」
東日本大震災を経て、今、改めてまちづくり、
国・自治体の役割を問う
助言者:二宮厚美(神戸大学)

日本母親大会2

みなさんは医療保険と介護保険のいちばん大きな違いは何だと思いますか?
医療保険は「療養というサービスを直接受ける」現物支給です。
介護保険は「必要な費用を支給され、各自がサービスを選択する」給付金支給です。

現物支給の場合、地方自治体は住民に求められれば、その療養サービスを提供する責任があります。もしなければ、公共施設等を整備して要求に応えなければなりません。現在は保育所や学校などもこのようなシステムです。

一方、給付金支給の場合、地方自治体の役割は、給付金を支給するところまでです。サービスは住民が自分で探さなければならないのです。

二宮先生は、地方主権の名の下に、医療・福祉・教育分野が国から地方自治体(都道府県から道州制へ)に丸投げされ、交付金給付のシステムに移行してしまうのではないかと危惧されています。

予想ではもう少し市民寄り(コミュニティ)の視点かなと思っていました。二宮先生は経済学者として、社会システムを読み解くことで国や地方自治体の役割を説明されたのだと思います。