食品表示を考えるシンポジウム

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1月20日(木)14:00~16:30に埼玉会館・小ホールで埼玉県主催の「食品表示を考えるシンポジウム」が開催されました。パネルディスカッションにくらし探検くらぶの代表が出席しました。

まずは「食品の不適正表示防止に関する標語」表彰式が行われ、最優秀賞・優秀賞の方々に賞状と副賞の埼玉県産のお肉が贈られました。(じゅるる)
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次に東京大学名誉教授・日本学術会議副会長・内閣府食品安全委員会専門調査会委員の唐木英明先生が「食の安全と消費者の安心について」と題した基調講演を行いました。
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唐木先生はとてもわかりやすい言葉で食の安全・安心について講演してくださいました。
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1. 毎日食べる食品は安全?
2. たくさんの誤解
3. なぜ誤解をするのか?
4. 表示の意味は?

私たち消費者が知らずに陥っている錯覚や誤解があります。安全性の問題もデータを自分の都合に合わせて重視したり軽視したりして、勝手に「安全ではない!」または「安全だ!」と解釈することがあります。
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上記の本はタイトルの差で売上数が全然違っています。言葉って不思議です。そしてメディアは言葉を巧みにあやつることができるため、消費者にさまざまな錯覚や誤解を与える危険性もあります。

このような中で消費者の「安心」は生産者・流通業者・行政などとの信頼関係が築かれていてこそ得られるのです。
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さて、次に「分かりやすく信頼される食品表示を目指して」と題したパネルディスカッションが行われました。
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参加したのは、コーディネータとして唐木先生、パネリストとして、
五味祐子さん(弁護士、「食品の業者間取引の表示のあり方検討会」委員)
廣田美子さん(食の安全オンブズ会議委員、くらし探検くらぶ代表) ←きゃー
小林孝志さん(株式会社中西ハム・代表取締役社長)
畠山好さん(株式会社セブンーイレブン・ジャパン)
中村祥典さん(消費者庁)
です。

五味さんは、企業(事業者)のコンプライアンス・危機管理について「消費者の信頼を得るために、問題が発生した場合は迅速に調査して事態を把握し、メディアの取材にも隠すことなく対応することが必要。」と語られました。

廣田代表は「遺伝子組換え食品の表示について、クローン畜産物の表示について、加工食品の原料原産地表示について、消費者が正しい選択肢を得られるようにして欲しい」「消費者の間にも情報格差があり、これからも学習していきたい」と述べました。
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小林さんは「事業者の責任を痛感している。現在一番困っているのはアレルゲン表示についてで、今後一般食品すべてに表示できるのか危惧している。学校給食などではアレルギーがおきない食品だけ納入してくれと言われたりしている。食中毒の問題は、生産者ー流通業者ー消費者のどの時点に問題があるのかわからない場合もある。」など、ご苦労があるようでした。

畠山さんは「コンビニは便利だけれど身体に悪いと思われていたので、積極的に情報を発信している。PB(Private Brand)について保存料・合成着色料を抜いたり、消費者庁の基準に合わせてトランス脂肪酸を含む食品を減らしたりしている。」と語られました。

中村さんは各々のパネリストが出した問題点について、消費者庁としてどのように取り組んでいるか、説明されました。

最後に唐木先生から、
・表示の問題は、
1. 食品の安全のための表示
2. 商品選択のための表示
があり、どれだけの表示が必要か、みんなでコンセンサスを作る必要がある。
・メディアにも理解をしてもらい、ちゃんとした報道をしてもらいたい。
・消費者側の心構え=ちゃんと確認する(人の話を鵜呑みにしない)ことも大事である。
とのまとめがありました。